今回ご紹介する練習方法は『ジョグ』ランニングにおける基礎練習です。
練習全体の割合でいうと60%をしめるほど、大事な練習となります。
「あぁ、ジョグね。そんなの知ってるよ。適当なペースで走ればいいんでしょ?」
と思ったそこのあなた、それは間違いです!
一般的にジョグと一括りにされてしまいますが、ジョグは目的に応じて様々な効果が期待できるんですよ。
走る前にどの目的でジョグをするかを決めて、意識して走ることがポイント!
ジョグの3つの目的
①練習の繋ぎ
②疲労抜き
③持久力UP
ジョグの目的
①練習の繋ぎ
一つ目の目的は『練習の繋ぎ』です。
インターバル走や30km走など、いわゆるポイント練習という負荷の高い練習の繋ぎとして行う『ジョグ』です。
高負荷の練習を続けて行うことで怪我のリスクが高まります。
でも走りたいんだ!という時にはジョグで繋いで疲労を貯めずに練習を継続しましょう。
②疲労抜き
二つ目の目的は『疲労抜き』です。
疲れている時こそジョグで回復しましょう!
「いやいや、疲れてたら休足が必要でしょ!」そんな意見もわかります。
疲れてたら家でゆっくりしたいですよね。でもそんな時こそジョグが効果的なんです!
特に、インターバル走など負荷の高い練習をやった次の日は疲労抜きのジョグがおススメです。
なぜジョグで疲労が抜けるのか。
それは血行がよくなるからです。血行が良くなることで固まった筋肉がほぐれ溜まっていた老廃物や疲労物質を放出することが出来ます。
疲労抜きの目的でジョグを実施する場合は30分~45分程度。長くても60分までにしておきましょう。
走りすぎては逆に疲労が溜まってしまいます!
③持久力UP
三つ目の目的は持久力UPです。
負荷が低いジョグでも継続して走ることで持久力がアップします。
即効性はないのですが、1か月、3ヶ月、1年と続けることで走るための基礎となる持久力がアップしていきます。
他にも以下のような効果が期待できますよ
ジョグの効果!4つの向上
①ランニングエコノミーの向上:省エネで走れるようになります。
②VO2max(最大酸素摂取量)の向上:酸素が多く取り込める=酸素は体を動かす際にエネルギーとなるため、多く取り込めるほど利用できるエネルギーが大きくなります。
③脂質酸化能力の向上:糖の代わりに脂質をエネルギーとして使えるようになります。
④筋力の向上:脚の筋力が向上します。特に初心者はいきなり速いスピードで走ると筋力が足りず、故障をする場合があります。まずはJOGでランニングのための脚づくりをしましょう。
ジョグのペース設定方法
VDOTを活用しよう
まずはVDOTのアプリをダウンロードしてください。
今後もこのVDOTを使って練習ペースを設定することがあるため、ダウンロードすることをおすすめします。
例えば、フルマラソンのタイムが4時間00分のランナーとして計算すると「イージー」という項目が6:19~6:56/kmというペースが設定されます(Eペースという表現の場合もあります)。
このペースで走る事が、サブ4ランナーのジョグとなります。
注意点としては、VDOTは現状の走力での設定ペースです。
目標がサブ4でも、今の走力がサブ5の場合、サブ4で計算すると負荷が高すぎて故障のリスクがあるので気を付けてください。
フルマラソンを走ったことがないという方でも、ハーフマラソンや10km、5kmなど、自分が走ったことのある距離のタイムを入れることで、設定ペースを確認することが出来ますよ。
VDOTによるペース設定
フルマラソン記録 | 設定ペース |
5時間00分 | 7:14~7:55/km |
4時間30分 | 6:48~7:27/km |
4時間00分 | 6:19~6:56/km |
3時間30分 | 5:36~6:10/km |
最大心拍数を利用したジョグ練習
次にご紹介するのは心拍数を使用した練習方法です。
こちらの場合はペースは関係ありません。心拍数を指標として走ります。
性別は関係ないため、年齢別に以下の心拍数を参考にしてください。
実際の心拍数
年齢 | 心拍数 |
30才 | 114~152 |
35才 | 111~148 |
40才 | 108~144 |
45才 | 105~140 |
50才 | 102~136 |
VDOTと心拍数 メリットとデメリット
ここではVDOTと心拍数という二つの指標を用いたジョグの練習方法をお伝えしてきました。
それぞれにメリット・デメリットをまとめてみました。
指標 | メリット | デメリット |
VDOT | ペースが明確でわかりやすい。 | 同じペースでも、その日の体調で負荷が変わる。 |
心拍数 | その日の体調によって心拍数が変化するので、オーバーワークになりにくい。 | 初心者だとすぐに設定の心拍数を超えてしまい練習にならない。 |
まとめ
さて、ここまで読んで頂いたあなたは、ジョグの大切さがわかっていただけたのではないでしょうか。
なんとなく走っていたジョグから目的と効果を理解したうえで行うジョグでは練習効果が変わってきます。
今後は『3つの目的』と『4つの向上』それぞれを意識しながらジョグを練習に取り入れてみてください。