コロナ渦で運動不足になり運動をしようと、ランニングを始めた方も多いのではないでしょうか。始めたきっかけは何であれ、ランニングを継続していくと「ただ走るだけでいいのかな?」「ちょっと記録が気になってきたな」、という思いを抱く方もいるのではないでしょうか。今回は、そんな初心者ランナーに向けて練習メニューの組み方を説明していきたいと思います。
練習メニューの組み方
月間走行距離を決めよう
まずは月間の走行距離を決めます。初心者の方は80~100kmを目指すと良いと思います。例えば100kmとします。この100kmをこの後、説明する内容に当てはめて練習メニューを組んでいきます。また、走ることに慣れてきたら走行距離を増やしていきましょう。ただ、急に距離を延ばすと怪我のリスクが高くなります。基本は1.5倍までという事を抑えておきましょう。月間100km走っていた人は、翌月150kmまでです。もっと細かくいうと、1週間で25kmの方は37.5kmまでという事になります。この法則を守って練習することで怪我のリスクを減らすことができます。私も様々な怪我(ランナーズニー、腸脛靭帯炎、測定筋膜炎など)をしてきました。振り返ると無理して練習をしすぎていた事が多かったです。特に初心者の時は無理せずランニングを継続できることが大事だと感じています。
基本は6:3:1
練習メニューの組み方は『6:3:1』です。先ほど決めた月間走行距離100kmを例に説明していきます。まずは月間100kmを6:3:1の比率に当てはめて走行距離を決めます。すると60km、30km、10kmとなります。ではこの距離でどんな練習をするのか詳しくご紹介します。
6:3:1の『6』
月間100km走るうちの60km、練習の大半を占める『6』の部分です。これはJOGやLSDといったゆっくりとしたスピードで走る練習になります。初心者に限らず、マラソン練習の大半はJOGやLSDといった脚づくりや疲労抜きを目的とした練習となります。プロランナーの中には8割がJOGという方もいます。JOGであれば自分が気持ちよく走れるペースで(具体的なペースを決めたい方はVDOTのEペースを参考にしてください)、LSDなら話ができる程度のペース(ニコニコペース、7:30/km~8:00/km程度)を目安としてください。
6:3:1の『3』
月間100km走るうちの30km、『3』の部分です。これはペース走やビルドアップ走といった少し速いスピードで走る練習になります。ペース走は一定のペースで走る練習です。少し速いスピードですが、自分が走れる全力のペースではない事に注意してください。JOGよりも速いペースで尚且つ、一定のペースで走れるスピードで走っていください。慣れてきたら1回に10kmほどでよいですが、初めのうちは5kmでもよいと思います。ビルドアップ走であれば、初めは7:30/kmほどから始めて徐々にスピードを上げていき、最終的に6:00/kmまでペースを上げていく、というような練習です。普段のJOGのスピードを基準にどこまで上げていくか決めると良いでしょう。
6:3:1の『1』
月間100km走るうちの10km、『1』の部分です。これはインターバル走、レペティションといったとても速いスピードで走る練習になります。とても負荷の高い練習となるため、毎週やるような練習ではありません。1回に5kmとすると月に2回だけでよいのです。 ここではインターバル走について紹介します。基本は『速いペースで1km+休憩』を3~7本を繰り返します。例えば、速いペースを5:00/kmとすると、1kmを5分で走り、3~4分休憩します(休憩ですが、ゆっくりでも動き続けてください。できればJOGがベストです。)。休憩の時間は自分の体調やその日の気温などによって設定すると良いでしょう。ただ、心拍数を下げすぎない程度の休憩時間としましょう。
練習カレンダーを作る
ここまでで、どんな練習で何km走るか決められたと思います。次は『いつ』その練習をするのか決めていきましょう。この時、カレンダーを使ってメニューを書くことをおススメします。エクセルなどで作成するのも良いかと思います。いつやるかを具体化することで、バランスよく練習メニューを組むことが出来ます。なるべく負荷の高い練習が偏らないように注意してください。また、練習メニューを記録しておくことで、翌月の参考になったり、もっと言えば来年、再来年の役に立つことでしょう。
まとめ
- 月間走行距離を決める
- その距離を6:3:1の比率に当てはめて距離と練習内容を決める
- 具体的にいつその練習をするのか、カレンダーに練習メニューを書く
上記の3つのステップで初心者でも簡単に練習メニューを組むことが出来ます。初めのうちは面倒に感じるかもしれませんが、ランナーとしてステップアップしていくためには、練習メニューをしっかり決めることはとても重要になります。また、練習の幅が増えることでより楽しく走ることができるようになります。まずは難しく考えずに『練習メニューを組む』という事をやってみましょう。プロランナーの気分が味わえるて、案外楽しめるかもしれませんよ。